ブログ♡黒山くろこ 日常の感じた事を成る可くシンプルに書く様に努めます。

わかばとエコー

今年の10月以降にわかばとエコーが廃止になるとヤフーニュースで読んだ。

この二つの銘柄で思い出すのが、ある街の老娼婦が吸っている『わかば』と、大先輩姐さんBの『エコー』である。

 

その老娼婦は今でもよく見かける方で、格好こそ清潔ではないが、アイメイクがいつも決まってる。道ばたに座り込んで一生懸命アイラインを引いている姿が印象的。何度も挨拶した事があるが、決して彼女からは話しかけないし、私も気分が乗らないときは知らんぷりをする。

ある日、やせ細った腕がにょきっと出て、手にわかばを握っていた彼女が忘れられない。昔キャバレーでナンバーワンの売れっ子だったそうだが、ホストに騙されてしまったと聞いた事がある。そのキャバレーの跡地には他のビルが建っているが、未だにそこに彼女はいる。少し切なくなる。

 

エコーを吸っている私の大先輩Bさんは、この道数十年のベテランホステスさん。いつもエコーを吸いながらお化粧をしている。エコーの良い香りが、Bさんの香り。

彼女から昔の華やかな夜の世界の話を聞くのが好き。絵画に造形が深く、日本画に興味がある私をよく美術館に誘って下さる。私がお金持ちであれば、ぜひパリにでも招待したいが、

「飛行機に乗ったら何十時間もたばこ吸えないじゃない」

と、文句言われそう(笑)

美術館の後にいつもルノアールに行って、一緒にたばこを吸いながらお話しするのが楽しみなのよね。

 

小津安二郎氏の映画にたばこを吸うシーンが沢山出てくるけど、なんか素敵な時代だと勝手に思ってしまう。

久しぶりにタールの強い昔のたばこが吸いたくなった。